今自分が侵されている状況はとても穏やかなものでは無かっ
た
昨日まで自分が行っていた会社は止めて今は何故かいきなりパリからやってきた元恋人の
のだめ、がその元恋人の
娘千と
自分の新婚生活を壊そうとしている。
未来とは20も年が離れていてのだめと性格が良
く似ていた。
20年前突然自分の前から居なくなったのだめ。
それから20年。自分はのだめのことを忘れられ
ず好きだった音楽も上手くいかなくてやめてしまった。
そして結婚もしないで独身のままずっと。
そ
の時だった。昔つきあっていた恋人に良く似た女が現れ自分たちは恋へと落ちていく
料理も苦手家事も苦手なところはあいつと同じ
で。
性格は優しいがドコか強気でぐいぐいと自分を引っ張って行くところなんてまるであいつそっくり。
そ
れに惹かれて結婚したんだ・が!
まさか自分のパートナー千が、元恋人の娘だったなんて知らなかった。
今
千はいなく千秋とのだめ二人切り。
「おい!のだめ」
千が俺がやめた会
社にのだめが作ったという弁当を届けに来ていろいろと苦労した。
その直後どこかへ行くと言う千を見送り猛スピー
ドで自宅へ戻った。
はぁはぁと取り乱した息を整えのだめに弁当を突き出す
「は
きゃ。千秋先輩、のだめの手作り弁当食べてくれました?」
「喰ってねぇ!お前どういう嫌がらせだ!これは!!」
あ
ちこちマンションの中を歩き回り落ち着かない。
「うっきゅっきゅ!のだめあれから黒木君に教わって料理上手く
なったんですよ〜先輩には及ばないかも知れませんケド〜」
バン、とテーブルを叩きつけ
の
だめを睨みつける
「冗談じゃねぇ!だいたいお前、ピアニストになるんじゃなかったのかよ!いきなり俺の前から消えてッ!あれから俺は
どうしてたと思う?お前のせいで苦労したんだぞ!」
そんなことを言ったら言ったでそれはもう過去のこと。
二
人にはどうすることも出来ない
「のだめが消えたがら指揮者辞めたんデスカ。もったいない。」
「テ
メっ!お前こそピアノやめた理由言えッ!!!あそこまで苦労して引っ張ってやったのはどこの誰だ?この俺様だろ?やめた理由を言え!おいのだめっ…!」
「ぎゃ
ぼっ…!!」
ガシとのだめの胸蔵を掴んだときだった。
「ちょっとママ、真一何やってるの
よ!」
いつの間にか帰宅した千が止めに入る
「せ、千」
千
秋が千の顔を罰の悪そうに見、のだめの掴んだ胸蔵を離す。
「おほほ、いつの間に帰ってきたの?千。」
「今
よ!もう少しでぷりごろ太はじまっちゃうから!」
時計を見るとぷりゴロ太の始まる時間帯。
「あ
ら、本当ね!録画、録画!真一さん、開いてるDVDあるかしら?」
「(てめぇ・・・)」
そ
うか自分はのだめと瓜二つの千にほれて。趣味までこいつとそっくりで。
だんだんと焦がれていった。
しゃ
べりかたは違うけど。
しばらくのだめとぷりゴロ太を鑑賞したあと、その続きのことを親子で語って、
千が疲れたと
先にふとんに入り、今、自分たちはリビングでのだめとともに酒を飲んでいた。
赤いソファにともに座って。
「先
輩。」
「…。」
千秋はぐぃ、とワインを飲み干して、のだめを見た。
「何。」
何
か言いたさそうなのだめの顔。
「千秋先輩、のだめ、あれから色々と大変だったんデス・・・」
しゅ
ん、と落ち込んだ顔を見せる。
自分もこいつと分かれてから、音楽に身が入らず大変だった。実際音楽をやめてしまったけれど。
の
だめはあれからの過去を千秋に話した。まだ少しだけど。
黒木さんとであったところまで。
「あ
の後、のだめは千秋先輩に振られてすぐ、パリへと飛びました。」
「振ったのはお前だろ…」
20
年前のあの日、のだめとセックスをした朝、自分と一緒に寝てて、隣に居るはずの彼女、のだめの姿はそこには無かった。
ただ一つ、テー
ブルの上にはのだめの字で
さようなら
という置手紙だけが置いていて。
の
だめが居なくなって3週間の自分は丸で抜け殻のようで、何をやっても全然身に入らなかった。
時
をえて、それから20年。
のだめの娘、
千とであったのは。
趣
味はアニメ鑑賞、好きなことはピアノを弾くこと、苦手なものは家事全般。でも勉強は出来て頭はいい。
のだめと似
ているところにオレは惹かれたんだな。
「あ
のっ、真一君?」
「何だ?」
ちょっと罰の悪そうな顔をしてのだめが
言った。
「千を、千をよろしくお願いします。」
ぺこん、と軽く頭を下げて、どこか体を震わ
せている。
「ああ、大事にするよ、お前の娘を。」
の
だめを大事に仕切れなかった分、お前の子供を。
大切にするから。だから安心してパリへと帰ってくれ。
「ねぇ、
先輩、もし千に飽きたらのだめをもらってくださいね。ゲハ!」
「はぁ!?
なにいって…!?」
「ぷぷ、真一君、その驚いた顔昔とかわないデスね〜!」
〜〜
の、変態!!!
「冗談じゃない!!」
END☆