(注意)
性
的表現があります。
しかも、ちあのだではありません。
苦手な方は読むのを控えてください。
く
れぐれも自己責任でお願いします。
ド
ンドンドン。
荒ただしくドアがノックされる。
こんな夜中にベルも鳴らさずに、誰だろうとの
だめは思う。
風呂上がりのキャミソールと短パン姿のままで、ドアの所に行きそっと声をかける。
「あ
の〜誰デスか?」
「あー、オレオレ」
「……オレオレじゃわかりまセン。オレオレ詐欺じゃないんですから」
「黒
髪の貴公子!!」
ドアの向こうの人物は叫ぶ。
どうやらかなり酔っぱらっているようだ。
「……
だから、誰デスか……?」
「もう〜これだけ言ってもわかんないかな!?。松田幸久だ!!」
ポ
ンと手をうつのだめ。
「トイレで小をする時にズボンを下ろさないと出来ないあの松田さんですネ」
「……
そうだよ」
やっと人物がわかった。
だけど酔っぱらっている怪しい人物を、独身女性の部屋に
入れる訳にはいかない。
相思相愛の恋人がいる身としてはなおさらだ。
「あの〜、もう、夜中
デスし……用があるなら明日にしてくれませんか?」
「何言ってるんだよ、ここ千秋くんの部屋だろ?」
「今はのだ
めの部屋デス」
「ええっ?そんなこと言ってなかっただろ、千秋くん」
松田が傍らの人物に問
いかけると、うー……ともなんとも言えない呻き声のような声が聞こえる。
「千秋先輩!!いるんですか!?」
の
だめはドアを開けた。
酔っ
ぱらうと人は本性が出る。
「あ
うう……2人で飲んでたんデスか」
のだめは呆れたような目で、ベッドにごろりと寝かされた千秋を見る。
か
なり泥酔しており、ぷんと酒臭い。
もはや意識がないようだ。
「ここまで酔っぱらわせるなん
て……」
のだめはきつい目で松田を睨み付ける。
これまた酔っぱらいである松田はその視線に
肩をすくめた。
「……ちょっと、可愛い後輩のために相談に乗ってやってたんだよ……。
た
またまこっち(パリ)に来ててさ、顔見せに言ったらすっげえ暗い顔してるし……。
なんだかオケのことで行き詰まってたみたいだよ。
……
多くは言わなかったけど……。」
「そうデスか……」
のだめは眠っている千秋の額の髪を掻き
上げる。
そういえば、最近はずっと忙しいと言って、全然連絡が取れなかったのだ。
……きっと、千秋には千秋にし
かわからない苦しみがあったのだろう。
それは、やはり同じ指揮者の道を歩む先輩の松田にしか話せないこともあるのだろう。
「ど
うもありがとうございましタ」
のだめはぺこりと頭を下げる。
「先輩を
ここまで送ってきてくれてありがとうございました。後はもう大丈夫デスからー」
「……っこ」
「へ?」
「お
しっこ!!。トイレどこ!?」
「あ、あっちデス」
のだめは慌ててトイレを指さした。
と
ころが、松田はふらついた様子で、1人でろくに歩けないようだ。
仕方なくのだめが肩を貸したままトイレに先導することになったのだ
が……。
「あ……ん……」
松田の手がベルトの部分をカチャカチャと彷
徨う。
「なんか……酔っぱらってチャックが下ろせない……手伝って……?」
「ム
キャッッ!!」
のだめは目をひんむいて叫ぶが……ここで失敗されても困る。
仕方がないと気
を取り直して、立っている松田の前にしゃがみ込み、ベルトを解きファスナーに手をかける。
ジーー。
……
他の男性のズボンのファスナーを下ろすなんて……なんだか変な気分だ。
思わずファスナーの隙間から見えるトランクスを凝視しそうに
なって、はっと我に返る。
「も、もう、後は自分で出来ますよネ!!。じゃあ、のだめ、ドアの外にいますか
らっっ!!」
そういうとのだめはバタンとドアを閉める。
危ない、危な
い。
そのまま見物するところだった(笑)。
ジャーと水が流れる音がし
て、松田がファスナーを閉めながら出てくる。
どうにかズボンだけははいていてくれてるようで、のだめはほっとした。
「……
大丈夫デスか?松田さん……」
「ふーー」
松田は大きく息をつくと、ソファにどかっと腰を下
ろした。
「……悪いけど……水を一杯くれない?」
「あ、ハイ」
の
だめは慌てて、キッチンに行くとコップに水を注いだ。
それを松田に手渡すと、松田は一気にぐーっと水を飲み干して息を吐いた。
「タ
クシーとか……呼びましょうか?」
心配気に覗き込むのだめ。
のだめ自身は無自覚だったが、
松田の位置からは、かがみ込んで覗き込むのだめのキャミソールの胸の谷間が丸見えだった。
松田の目の色が変わったことに気が付かな
かった。
ぐっと手首を掴まれて引っ張られる。
「きゃっ……」
気
が付くとのだめは、すっぽりとおさまったかのように松田の腕の中にいた。
「あ、あ、あ、あ、あの……」
「の
だめちゃん……だっけ?」
「ハイ……そうですけど……あの……」
のだめはどうにか腕の中か
ら逃げ出そうとしてじたばたともがくも、その強い力でもって押さえつけられて身動きがとれない。
「……いつか、
トイレで会ったよね……」
「え……あ、ハイ」
「……どうだった?」
ど
うだったと聞かれても……のだめは松田の真意が図りかねた。
「あの……」
「千秋くんと、オ
レ……どっちが大きかった……?」
その質問にのだめの顔がかあっと紅潮する。
……要するに
ナニの大きさを聞いてきてるのだ。
「えーーーーっっ!!」
「ねえ、どっち?」
「い、
い、いえっ!!どっちと言われても……あの時は、そんなにはっきり見た訳じゃないデスし……」
「……でも、見たんだろ?」
た
だでさえ抱きしめられて混乱しているのに、酒臭い息とか、千秋とは違う分厚い胸とか、ギラつく狼のような眼光を受けてのだめの頭はパニック状態になった。
な
んでもいい、早くこの状態から逃げ出さないと。
のだめの頭の中で、赤い非常灯がピカピカ光る。
危
ない。
「……ハイ、ハイ、見ました……」
暴れるのだめをがっしりと押
さえ込んだまま、松田は言った。
「……ふーん、見たんだ……」
「見ました!!見ましたか
ら……早くっ……離してくだサイッ!!」
「じゃあさ……」
松田は不敵な笑みを浮かべた。
「見
たら、見せるのが礼儀だよね……」
「え……?」
その瞬間。
の
だめはぐるりと視点が反転した。
背中にはソファーが当たっているために痛くはなかったが、ばむっとはずむような衝撃を感じる。
恐
る恐る目を開けると、目の前には、酔っぱらった人間のそれではなく、明確なはっきりとした意図を持ったような視線の松田がのしかかっていた。
そ
の背中には白い天井が見える。
自分は押し倒されてるのだと、やっと気づいた。
「……
おっぱい……見せて?」
松
田の言葉に目を見開くのだめ。
そして助けを乞おうと千秋の方を振り返る。
「先輩っ!!。助
けてくだサイ!!先輩っっ!!」
必死で叫ぶも、千秋は泥酔しきっているのかぴくりとも動かない。
「せ
んぱ……むぐ」
なおも叫ぼうとしたのだめの口を、松田の手が塞いだ。
息ができない。
の
だめの体をがっしりと押さえ込んで口を片手で塞いだまま、松田の残りの片手はキャミソールの裾を思いきり引っ張り上げた。
「ーーーーーーーっっ!!」
声
にならない叫び声が出る。
のだめの豊満な胸を包むベージュのブラジャーが露わになった。
胸の中心に松田のぎらつ
いた視線を感じる。
「ーーーーーーっっーーーーーっっ!!」
なおも暴
れるのだめの口を覆っていた手を外した。
「ぷはっっ」
はあ、はあ、と
大きく深呼吸を繰り返すのだめ。
「ふーん、やっぱり大きいんだね、のだめちゃんの胸」
「も
う、いいでしょう!!見せたんだから」
のだめは涙をにじませて訴えかける。
「うー
ん、でもさ、やっぱり中身をみてみないとね〜」
「な……!」
松田の手が動こうとしたその一
瞬をついて、のだめはくるりとうつ伏せになった。
これなら見られない筈……と思ったのだが。
「あ、
ホック発見♪」
「え……」
楽し気な口調で、松田はのだめのブラジャーのホックを一瞬にして
外した。
たまたまキャミソールだったため、ストラップレスのブラを着けていたことが災いとなった。
そのまま
しゅっと引き抜かれるようにしてブラを取り上げられる。
「ちょ……」
「もーらい♪」
も
う、のだめの胸を覆い隠すものは何もない。
必死にうつ伏せの姿勢を取ろうとするのだめを、松田がひっくり返そうと腕に力をいれる。
「や……
やめてくだサイ!!」
「ほら、ほら、観念して……男の力にかなう訳ないんだから……」
たく
ましい腕の力でひっくり返されるのだめ。
これで胸が露わに……と思われたが、松田が不機嫌そうに唸る。
のだめは
両手で豊満なバストを覆い隠していたのだ。
「……ったく……往生際が悪いなあ、のだめちゃん……」
「も
う……もう、やめてください……」
「やだ」
そう言って松田はのだめの手首を掴んで左右に
引っ張り、胸からはぎ取ろうとする。
必死で抵抗するのだめだが、男の力にはとてもかなわない。
「……
ほら……おっぱいが伸びちゃうよ……」
「……やーーーーっっ!!」
もう、駄目だ!!と観念
したのだめが目を瞑った時。
がくん。
急にのだめの体に松田の体が力が
抜けたようにのし掛かった。
そのままぴくりとも動かない。
「……?」
の
だめはおそるおそる、重たい松田の体から抜け出し、身を起こすと、松田を見つめた。
松田は軽い寝息をたてている。
ど
うやら、眠りの底についてしまったようだ。
「………っっ!!」
のだめ
は、わなわなと怒りに震え、松田の後頭部をバシンと叩く。
それでも動かない松田。
「………
もう……この最低男……どうしてやりましょうか……」
のだめの怒りはおさまりそうになかった。
朝
の光が窓から差し込み松田を照らした。
「ん……」
その眩しさに松田は
顔をしかめる。
あれ?……どうしたんだっけ……。
松田は朦朧とした意
識の中で考える。
確か……昨日は、千秋と飲みに行って……ぐでんぐでんに酔っぱらった彼を部屋まで送ってき
て……それから……。
「ん?」
松田は自分の体の異変に気づく。
両
手は背中に回されてきつくロープで縛られ、おなじく両足首もロープで固定されていて動けない。
「なんじゃこりゃ
あっっ!!」
思わず叫び声をあげる松田を見下ろす2人の姿に気づいた。
「松
田さん、起きたみたいデスよ、先輩」
「ふーん」
その冷たい声におそるおそる顔を上げる
と……。
無表情のまま、怒りのオーラを背中に漂わせた千秋と目が合う。
その凍り付くような視線にぞっとする。
「あ……
あの……」
「昨日は、のだめがお世話になったようで……」
千秋の口調は無機質で感情が感じ
られない。
その事が更に松田の恐怖を倍増させる。
「いや、その、お世話って……あの……」
「せ
んぱーい……のだめ、本当に怖かったんですよ。松田さんに押し倒されて……ブラをはぎ取られて……」
千秋の肩に
すがりつくようにして啜り泣くのだめ。
「ふうううううん」
千秋の表情
はますます険しくなる。
「いや……千秋くん、これは……ちょっとした冗談で……」
し
どろもどろになる松田を思う存分、上から見下ろした後、千秋はくるりと顔をのだめに向けた。
「のだめ。久し振り
に朝御飯は外で食べないか?」
「本当ですか!?、あそこの角のカフェが良いデス!!」
「その後は……そうだな、
映画でも見に行こうか。今日は俺はオフで仕事もないし……」
「ムキャーーーーッッ!!久し振りのデートですネ!!」
い
そいそと用意をして玄関を出て行こうとする2人に松田は訴えかけた。
「あの……もしかして……オレ、このま
ま……?」
2人とも振り返ろうともしない。
「あのっっ!!トイ
レッ!!トイレに行きたいんだけどっっ!!せめて縄をほどいてっっ!!」
千秋が振り返って言った。
「じゃ
あ、松田さん、今日一日留守番をお願いします」
「バイバーイ」
舌をだしてあかんべをするの
だめを腕に絡ませて、千秋は玄関を開けた。
「おいーーーーーーーーーーーっっっ!!」
松
田の絶叫も虚しく、ドアがバタンと閉まった……。
終
わり。